告白 町田康
ヤバイくらいに共鳴しちゃって、「俺と共鳴せえへんか?」が頭の中をぐるぐる回り出した。それこそ今となっちゃ思ったことと口に出したことがほぼ同一になってきた私ですけども、ローティーン時代ちゅか中学生時分は下手に思弁的だったもんで、クラスの子達とうわべだけの付き合いしかできなかったことを記憶の底からひっぺがされてしまったのだ。もちろん当時は思弁的なんて言葉は知らなかったけれども。まぁ多分中学生ぐらいの子には多少なりともそゆとこは有ると思うけれども。だがしかし。「クラス一丸となって体育祭を盛り上げよう!」的な雰囲気に全く溶け込めず「あぁ、なんだってこんな100メートルなんて中途半端に長い距離を一生懸命走らなくてはならないのだね?」とか「1位になったところでそれに一体何の意味があるのかしらん。」とか「中村先輩(仮名)ってすっごいかっこよくない?」みたいな話題で「あぁ、金木犀の匂いがするなぁ。っていうか、ただバスケがちょっと上手くて背がちょこっと高いくらいですっごいかっこいいとかになんのかぁ。」とか思いながら過ごした中学時代。「私は誰とも違うぜ!」というものすごい選民意識の中で過ごしたあの時代が今も続いているとするならば、なんて生きにくかったろうかなぁなんて思ったりした。自分の本当の気持ちを伝える術を持たず、じたばたもがきながら闇雲に行き当たりばったりで突っ走ってる熊太郎に対して、私がどういう感情を持ったのか自分でもよくわからない。わからないけど、「あかんかった。」にはウワーっとなった。電車の中でこの部分を読んで、涙ちびりそうになった。ひさびさ、読み終わった後も脱力させられた本なのだった。

告白

告白