心のやまいだれ

最近立て続けに鬱病の人の話を聞いたのです。
まず、一人目は友達の会社のパートさんの話。友人Eが会社で親しくしているパートさんの様子が最近おかしいらしい。突然仕事を途中で放り出して早退したり、Eのことをいきなり無視したりと今までには考えられなかった行動を取るようになったと。その他にもちょっと考えられない行動が続き、Eはかなり心配していたらしい。そんなある日、Eに彼女からメールが届いた。「ごめんね。最近の私おかしいでしょ?うすうす気がついているとは思うけど、私鬱病なの。迷惑かけて本当にすみません。他の人には言わないで。」Eは会社の誰にも言えず、周りの人がそのパートさんのことを批判している間、フォローし続けるしかなくなってしまった。「正直、私も辛いよ。彼女が残していった仕事も片付けなくちゃならないし、自分の仕事だってあるし。周りの人は事情を知らないから言いたい事言うけど、その気持ちだってわからないわけじゃないし。」
二人目は、高校時代の友人の奥さん。何が起こるかわからないので、友人は家を空けることができない。共通の友人の結婚式にも欠席することにした。

多分、こういうことは誰にでも起こりうることで、当事者が自分なのか身内なのか親しい人なのかって違いでしかない。当事者が辛いのはもちろん、周囲の人間も辛いのだ。
以前、二人目の友人の奥さんに会った時、「私最近全然眠れないんだよねー。」と話しているのを聞いた。奥さんは「眠れないから毎晩睡眠薬飲んでるけど薬に耐性が出来ちゃって、もうあんまり効かないの。」って笑って言ってた。その時の私はお付き合いしていた人と別れたばかりで、毎日がきつくてしょうがない時だったし、自分自身不眠気味で激痩せしている真っ最中だったので、優しいダンナさんがいて可愛い子供もいて家を買ったばかりのその奥さんに対して「一体何が不満なの?それ以上何を望むの?甘ったれないでよ!」と心の中で罵倒していた。今思えば、あの時から奥さんの心のバランスは崩れ始めていたのかもしれない。奥さんの状態を知らなかったとは言えあんなこと思うんじゃなかったなと、その話を聞いた直後の私は思ったし、過剰に心配してしまった。アホだった。

心の病と聞くと、人は(私は)過剰に神経質になる。下手なことは口に出来なくなる。体の病気よりもタブー感が強くなる。でも、体の病気も心の病気も同じだ。キツさはどちらも変わらない。
はっきり言う。Eの会社のパートさんも、友人の奥さんも私には他人だ。親しくもない。下手に同情なんてしたくないし、彼女達の辛さや絶望感や、彼女達の周囲の人々の悩みも私にはわからない。ただそういう状況の人がいるということだけだ。それだけは認識している。