今日の一冊

五輪の薔薇 (上)(下) チャールズ・パリサー
すべての発端は、四枚の花弁を持つ薔薇を中央と四隅とに一輪ずつ並べた「五輪の薔薇」の意匠だった。出生の秘密、莫大な遺産の行方、幾多の裏切り、そして未解決の殺人事件と、物語文学のあらゆる要素をそなえ、読者を心地よい迷宮へと誘う、波乱万丈かつ複雑に入り組んだプロット。超弩級の大作が、ついにそのヴェールを脱ぐ!!
という、柱にまんまといっぱい食わされてる、いまんとこ。「ディケンズをも凌駕する」っていうけど、確かにディケンズっぽい。っていうか、ディケンズは「ディヴィット・コパフィールド」しか読んだ事ないんだけど。でも、確かにディケンズ風味。19世紀のイギリスのアンダーグラウンド(ってか、貧民層)の悲哀。むしろ、おしん入ってる。不幸につぐ不幸。たらい回しの青春。もう出生の秘密とか遺産の行方とかどうでもよくなって、とにかくこの世間知らずをなんとかしてくれって感じです。上巻をなんとかやり過ごしたので、意地でも下巻を読み終わってやりたいのだが、結末はどうでもいいっていう、なんか読書としては間違った方向に行ってる。

五輪の薔薇〈上〉

五輪の薔薇〈上〉

五輪の薔薇〈下〉

五輪の薔薇〈下〉