疾走 重松清
重っ!めちゃめちゃ重っ!この人の書く本はほのぼのしてたり、ちょっと毒があってもユーモアが塗されてたりするので割と読みやすい印象だったけど、この本は違う。全く救いがない。これでもかと言わんばかりに雪達磨式にシュウジを襲う不幸。一つ崩れると、人間って家族ってこんなにもろいものなのか。現代の日本が舞台になっているのに、なんだか昭和の匂いがする。私の周りにはなかった部落差別(埼玉に引っ越してきてから始めて同和問題という言葉を知ったくらい)が現実にある日常ってどんなものなのか。ラスト、ちょっとだけほんとちょっとだけ救われた感じ。

疾走

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